投稿:2020/05/22 | 更新:2020/05/22

総合的な品質から考えるアクセサリー&ジュエリー選び!

「アクセサリー」対「ジュエリー」=「偽物」対「本物」という風に考えがちですが、それは使っている素材が卑金属か貴金属かという基準でしかありません。

どうせ「偽物」だからどれも一緒とか、「本物」だからきっと良いものに違いないという考え方では満足できるアクセサリーやジュエリーを選ぶのは難しいと思います。
「アクセサリー」や「ジュエリー」の中にも様々な品質があるからです。

なので今回は、アクセサリーやジュエリーによく使われる素材とめっきについて詳しく説明します!

アクセサリーを買うときに、どんな素材が使われていて、どこで作られたのか気になったことはありますか?
服には素材の詳細や生産国が表示されていることが当たり前なのに、アクセサリーには何も表示されていないことがあります。
表示されていたとしても、「合金」の一言しか説明がなくて、まるで消費者には知る必要がないと言わんばかりです。

様々な品質のアクセサリーが世界中から輸入されていて、金属アレルギーも問題になっている今、アクセサリー販売者はどんな素材が使われているか管理することと、消費者に品質のわかる情報を提示していかないといけないと思います。

しかしながら、たくさんのパーツから出来上がっているアクセサリーは、それぞれバラバラな素材が使われていたり、生産国が異なる場合があるため、どこまで詳細を表示すべきなのかは難しいところだとは思います。
(チェーンは日本製だけど、ペンダントトップは外国製であって詳細な素材がわからないとか。)

現状、詳細な素材や生産国の表示がないアクセサリーに対しては、消費者が知識を身につけて、総合的に品質を判断していくしかありません。


合金(メタル)+めっき





ベース(土台)が真鍮(銅合金)など産出量の多い金属で作られた比較的安価なアクセサリーについて説明します。

価格としては100円から数万円のものまであり、その品質にはかなりの差があります。

ざっくり2種類に分けると、サイクルの短い「ファストファッションとしての低品質アクセサリー」と貴金属で作るには高額になりすぎるので「コストを抑えるために作られたジュエリー品質アクセサリー」に分かれます。

どんなところに違いがあるのかというと、
  • ベース(土台)の金属素材
  • ベース(土台)の製造技術
  • めっきの厚さ
  • めっきの種類
  • めっきの技術

などに大きな違いがあります。

真鍮などの良質な合金はアクセサリーに適した強さや光沢を持っていますが、質の悪い合金では劣化や破損などが起りやすく耐久性に劣る可能性があります。

商品の素材説明に「合金」や「メタル」としか表示されていないときは、販売者が金属の詳細を把握できていない場合と、真鍮よりもランクの低い合金で作られている場合が考えられます。

そしてベース(土台)の製造技術においては、品質管理のレベルによって触り心地や見た目の美しさ、耐久性に違いが出ますし、仕上げに施すめっきにも影響を及ぼします。


次に、めっきについてです。
アクセサリーに使われる主なめっき方法は、めっき用の金属を溶かした液にベース(土台)を浸し、電気を流して、ベースの表面にめっき用の金属を付着させる電気めっきです。
○○めっき仕上げ、めっき加工、コーティング、フィニッシュというのはこの電気めっきになります。

電気の強さや浸す時間で厚さを調節できます。

めっきの厚さはミクロン(μ)で表します。(サランラップは10ミクロン)

日本ジュエリー協会の表示規定によると、厚さによって、フラッシュめっき、通常のめっき、厚めっきと分けて表現されます。
「金めっき」の厚さの目安は、フラッシュめっきが0.1ミクロン以下、通常のめっきが0.1ミクロン以上、厚めっきが1ミクロン以上です。

アメリカの規格では「gold flashed(フラッシュド)」が0.175ミクロン以下、「gold electroplate(エレクトロプレート)」が0.175ミクロン以上、「gold plate(ゴールドプレート)」が0.5ミクロン以上、「heavy gold plate」が2.5ミクロン以上と定められています。

「gold electroplate」以下は通常のめっきとは区別され、特に「gold flashed」はアクセサリーには向かないとされています。

しかし、このめっきの目安や規格というのは、あくまでジュエリー品質のめっきに求められるものであって、ファストファッションとしての低品質アクセサリーには当てはまりません。

低品質のアクセサリーは0.1ミクロン以下のフラッシュめっきがしてあるのが普通です。(金めっきにおいて)
実際、アクセサリーショップで0.03ミクロン、アクセサリーのめっき加工会社で0.05ミクロンが通常のめっきと表示しているところがあります。

この様に、ファストファッションとしてのアクセサリーには長期間の使用が想定されていないのでめっきが色付け程度でされているわけですが、めっきの最終工程でクリア塗装といわれる薄い皮膜で保護して、耐久性を上げている場合もあります。


次はめっきに使われる金属素材についてです。

めっきには目に見えている表面のめっきだけでなく、下地のめっきもされています。めっき下地があることで、ベース(土台)の耐食性や強度を高めたり、表面のめっきがはがれにくくなったり、綺麗な色や光沢が出せます。

ちなみにめっき下地によく使用されるのがニッケルです。表面に金めっきなどをしていても、薄いめっきからはニッケルの成分がにじみ出てくるので、ニッケルアレルギーの原因になることがあります。

表面のめっきには金色であれば本物の金が、銀色であれば本物のロジウムが使われていると考えるのが当たり前でしたが、最近では金やロジウムの価格が高騰しているため、安価なアクセサリーでは他の金属で代用されていることがあります。

(本物のロジウムを使用していない場合でも「ロジウム」という言葉を使って表現されていることがあるので注意してください。)

代用めっきの場合、金やロジウムなどの貴金属と違って安っぽい見た目になったり、変色しやすい可能性があるので、どんなめっきがされているかも重要です。


そして最後に、めっきの技術についてです。
めっきと一言に言っても、その工程には素材や仕上がりに合っためっき液選びから始まり、ベース(土台)の脱脂や洗浄などの下処理、めっき下地の処理等々、いくつもの工程があります。

この工程にどれだけの技術があるかが、めっき品質の一番重要なポイントになります。


長々とした説明になってしまいましたが、以上のような理由から「合金(メタル)+めっき」のアクセサリーの品質には大きな差が生まれます。


真鍮+GF(ゴールドフィルド)、SF(シルバーフィルド)



真鍮に金や銀を張り合わせた素材をGF(ゴールドフィルド)、SF(シルバーフィルド)といいます。

今一番身近なのは、K14GF(14金ゴールドフィルド)のアクセサリーだと思います。
こちらはアメリカの基準によって商品全体重量の1/20以上の14金が張られているということです。
商品全体重量の1/20以上といわれても、パッときませんが、通常の電気めっきの20~30倍以上の厚さだそうです。

ただ、単に厚みがあるというだけではありません。
電気めっきのように表面に金などを付着させているのではなく、熱や圧力によって合金化されているのではがれにくくなっているのです。

よって、電気めっきのアクセサリーより長持ちし、金や銀などの層が厚いので、貴金属本来の光沢を手軽に味わうことが出来ます。

しかし摩耗が激しい使い方をするとベースの真鍮が出てきてしまうことがありますし、変色した場合は研磨してクリーニングすることが難しいので、デメリットも考慮する必要があります。


シルバー+めっき



シルバーは真鍮と違って錆びるわけではありません。しかし、シルバーは硫化して表面が変色しやすいため、めっきがかけられることが多くあります。

シルバーはシルバー925であることがほとんどです。

ベースがシルバーであることのメリットとしては耐食性があることと、めっきが剥げてきたとしても、真鍮などに比べると肌に優しいこと、磨けばシルバージュエリーとして使えることです。

しかし、めっきの下地にニッケルが使われているなど、アレルギーの原因となる金属がめっきされていたら意味がありませんので注意してください。
こちらも「合金(メタル)+めっき」で説明したようにどのようなめっきがかけられているかは重要です。

同じくシルバー925をベースとしたものに「ヴェルメイユ」と表現されるジュエリーがあります。


ヴェルメイユ

シルバー925のベースにある条件で金めっきしたものをヴェルメイユといいます。
スイス貴金属業界の規格では10金以上のゴールドを厚さ1.5ミクロン以上コーティングすることが条件、アメリカの規格では厚さ2.5ミクロン以上が条件となっています。

めっきに厚みはありますが、GF(ゴールドフィルド)のように合金化しているわけではないので、指輪やネックレスチェーンなど、よく擦れるものはめっきがとれやすいので注意が必要です。

ヴェルメイユは比較的高級なものであれば規格に沿った品質だと考えられますが、単にシルバー925に金めっきがしてあるという意味でヴェルメイユと表現されていることもあるので詳細を確認したほうがいいと思います。


めっき無しのシルバー、ゴールド、プラチナ



金、銀、プラチナは希少であり、化学的に安定していることなどから貴金属と称されます。

貴金属は光沢や色調が素晴らしく、耐食性があるため長く愛用することが出来ます。
化学的に安定しているということは肌に優しいということです。しかし、アレルギーの原因となる金属が含まれている場合もあるので絶対に安心というわけではありません。

それは、それぞれジュエリーとしての美しさと丈夫さを兼ね備えるために他の金属(割金)を混ぜて作られている合金だからです。

シルバージュエリーは主にシルバー925で作られていて、銀の含有量が92.5%、銅などの割金が7.5%となっています。
シルバージュエリーの主な変色の原因は銀が空気中の硫黄と反応する、硫化です。

ゴールドジュエリーは主に18金、14金、10金などで作られていて、数字が小さくなるにつれ金の含有量は少なくなります。
割金によってイエロー、ピンク、ホワイト、グリーンなど色調を変えられます。

金そのものは変色しませんが、割金に使われている銀や銅などが変色するので、金の含有量が少ないほど変色しやすいです。
ピンクゴールドは割金に銅が多く含まれているため、他のゴールドと比べて変色しやすくなります。
ゴールドジュエリーが変色する主な原因は割金に含まれる銅などの酸化とシルバーの硫化です。

ホワイトゴールドはそのままでは薄いイエローなので、大半は仕上げにロジウムめっきがしてあります。使用頻度によってはめっきが剥げることも考慮して購入するのがおすすめです。

プラチナジュエリーはPt950、Pt900、Pt850などで作られていて、主な割金はパラジウム、ルテニウム、イリジウムです。
プラチナはもちろん、割金に含まれる金属も変色しにくいので一生もののジュエリーとして人気があります。



以上、アクセサリーやジュエリーによく使われる素材とめっきについての説明でした。
今回説明しきれなかった、ステンレスやチタンについてもまた今度記事にしたいと思います。

冒頭でもアクセサリーの素材について、消費者に対する説明をもっとして欲しいと言いましたが、今回いろいろと勉強すればするほどその思いが強くなりました。

そして、単純に考えて一番品質で信頼できるのはやはり日本製だと思いました。中国や韓国などからアクセサリーを輸入しているのは安さを求めてのことですし、品質の管理が行き届きにくいからです。

日本の素晴らしい技術を絶やさないためにも、私たちは身近なアクセサリー・ジュエリーについてもっと勉強した方がいいと思いました。

まだまだ書ききれないことがあるので、次回もお楽しみに!